◆摘出手術(再発・2回目)

2013年8/21手術・生検

今回の手術も前回までと同様、開頭腫瘍摘出術で行われた。。
ただし決して腫瘍の全てを取り除く手術ではない。(多く取ることによって正常な脳神経が損傷を受けてしまい、症状がより悪くなったり、脳機能障害が発生する可能性があるため)

<目的>
・腫瘍を小さくして今後の症状(けいれん、脱力)の出現を抑える。
・病理診断を行う。
・腫瘍を小さくしてその後の化学療法の効果を高める。

<方法>
全身麻酔で行う。前回までと同じ場所で皮膚切開を行って、頭蓋骨を一部はずす。
目的とする箇所(腫瘍)を確認しながら顕微鏡を使って腫瘍を摘出する。
より安全・確実に手術を行うために、ナビゲーション、電気生理学的モニタリング、蛍光診断などの医療機器と技術を用いる。
腫瘍摘出後は骨を戻し、皮膚を縫合して手術が終了。
予定では手術時間は約6時間。(実際は3時間半程度だった。)

<起こりうる合併症>

(1)脳梗塞、脳出血の可能性
(2)言語障害、失語症、麻痺、記名力低下などの神経症状の出現または悪化する可能性
(3)けいれん発作
(4)感染症(髄膜炎、膿瘍など)
(5)麻酔、薬剤によるアレルギー反応、ショック
(6)深部静脈血栓症、肺梗塞
(7)他臓器の合併症
(8)褥創、血管の炎症など
(9)創部に関連した皮膚症状、筋肉の萎縮、骨変形など
(10)発熱、頭痛、嘔吐など
(11)その他予測できないことの生じる可能性

基本的には手術の方法、起こりうる合併症、起こりうる後遺症は2008年に行われたものと同じ内容だったのだが、今回は補足運動野(運動の時間的順序を決める部分。服を着る、食事を作る等の複雑な動きをつかさどる)の部分に腫瘍が入り込んでおり、手術をすることでその部分に麻痺が出る可能性が高いと言われる。
ただし麻痺は一時的なものなので、リハビリをすれば回復するとのこと。

今回はある程度の麻痺を想定していたのだが、手術後も当初言われていた程の麻痺は現れず(逆に言えば腫瘍の摘出がそれ程多くできなかったということで、安全性を優先して言語野に近い部分には手をつけていないということだった)、リハビリも思った程かからずに済んだ。

他に2008年時の手術との相違点をあげると

@  今回が通算4回目の手術で同じ場所を切開することから、術後の脳硬膜縫合部から髄液が漏れるのを防ぐため、血漿分画製剤(フィブリン糊製剤)のボルヒールが用いられた。
A  切開部分付近すら全く剃髪なしになった。(切開部分の縫合が髪の毛ごと行われた部分が何ヶ所かあったりして後々困ることにもなるのだけど…)
B  手術中・後の褥創(床ずれ)を防止するため、手術直前に背中・腰・かかとに薄い透明の保護フィルムを貼ってもらった。